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秘密(15) [のだめカンタービレ二次小説]

俺はエリーゼがこんなにもシュトレーゼマンの事を大切に

思っていた事を知らなかった。

でも思い返せばギャラだけであんな困ったじじいの世話なんか

出来ないだろう。

幻滅する気持ちもあっただろうに止めなくて

只管、彼のフォローをやっていたのは捨てきれない思いが

あったのかもしれない。


エリーゼ自身迷っていた。

完璧なシュトレーゼマンを残し、このまま姿を消してしまえば

その名は永久に刻まれる。

老いぼれてしまった彼をさらす事は身を切られるように

辛いが、彼の存在を消したくはなかった。



「君に引導を渡して欲しいのだよ」

シュトレーゼマンは別れを示唆するように左手を向けた。


「・・・・そんな残酷な事できない・・・わ」

こんな風に自分に決めさそうとする彼に憎しみすら感じた。

長い時をかけたものをこんなにも簡単に壊せない。

そんなに簡単に決められない。


「君が支えてくれなければ私はここまで来れなかった。

だから最後は君に託したい」


「そんなの卑怯じゃない」


「そうだね。そうかもしれない。だけど君だからいや君にしか

頼めない事なんだよ」


「・・・・・・」

即決できる問題ではない。

これまで一緒だった時間は決して短くはないのだから。


「ちょっといいだろうか、お嬢さん」

兄のラードルフが話しかけた。


「フランツをずっと支えてくれてありがとう。いつか会って感謝を

伝えたいと思っていたので今日会えて本当に嬉しいよ」

シュトレーゼマンとよく似た顔立ちにエリーゼは見惚れるように

見ていた。

握手を交わした手は少しごつごつしていたが温かかった。













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